個人事業の開業届には、バーチャルオフィスの住所を書けます。書き方は、納税地を自宅にしてバーチャルオフィスを事業所として書く形と、納税地そのものをバーチャルオフィスにする形の2つです。
どちらにするかで、税務署からの書類の届き先と、選ぶプランが変わります。納税地をバーチャルオフィスにするなら、税務署からの郵便を受け取れるプランが要ります。住所を貸すだけで郵便を受け取らないプランは、開業届に使えても納税地には向きません。
この記事では、国税庁の開業届の様式と手続きの案内(2026年10月時点)をもとに書き方を整理し、開業届に使えて税務署の郵便を受け取れるプランの費用、屋号の登録、あとから変えるときの手続きを比べます。料金は2026年10月時点の各社の公式サイトの記載で、税込です(税別の額と、税の表記のない額は1.1倍しています)。
開業届にバーチャルオフィスの住所を書く2つの書き方
国税庁の開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)には、「納税地」の欄と、「上記以外の住所地・事業所等」の欄があります。納税地の欄の「区分」には、納税地が住所地なら5、居所地なら6、事業所等なら7を書きます。
| 欄 | A 納税地を自宅にする | B 納税地をバーチャルオフィスにする |
|---|---|---|
| 区分 | 5(住所地) | 7(事業所等) |
| 納税地 | 自宅の住所 | バーチャルオフィスの住所 |
| 上記以外の住所地・事業所等 | バーチャルオフィスの住所 | 自宅の住所 |
| 開業届の提出先 | 自宅を管轄する税務署 | バーチャルオフィスを管轄する税務署 |
| 税務署からの書類の届き先 | 自宅 | バーチャルオフィス |
所得税法第15条は、納税地を原則として住所地としています。第16条第2項は、住所地のほかに事業場等を持つ人は、住所地に代えて事業場等の所在地を納税地にできるとしています。Bの書き方は、この特例を使う形です。
バーチャルオフィスの住所がこの「事業場等」に当たるかについて、国税庁の開業届の手続きの案内とタックスアンサー(No.2091)は触れていません。バーチャルオフィス1の税理士監修の記事は、バーチャルオフィスの住所は「事業所等」に当たり、納税地にできるとしています。判断に迷うなら、Aの書き方にすれば納税地は住所地のままなので、この点を気にせずに済みます。
タックスアンサー(No.2091)は、年の途中で納税地を変え、国税当局からの書類の送り先も新しい納税地にしたいときに申出書を出せるとしていて、書類が納税地に送られることを前提にしています。ワンストップビジネスセンターも、税務署からの書類は開業届で納税地に書いた住所に届くと案内しています。
納税地は自宅とバーチャルオフィスのどちらにするか
AとBのどちらにするかで、引っ越しやバーチャルオフィスの解約のときの手続きと、選べるプランが変わります。
| 場面 | A 納税地を自宅にする | B 納税地をバーチャルオフィスにする |
|---|---|---|
| 自宅を引っ越したとき | 納税地が変わる。次の確定申告書に新しい納税地を書く | 納税地は変わらない |
| バーチャルオフィスを解約・移転したとき | 納税地は変わらない。事業所の廃止・移転を、自宅を管轄する税務署に届け出る | 納税地が変わる。次の確定申告書に新しい納税地を書き、事業所の廃止・移転を届け出る(移転なら、移転前のバーチャルオフィスを管轄する税務署へ) |
| 管轄の税務署 | 自宅を管轄する税務署 | バーチャルオフィスを管轄する税務署。窓口に行くなら遠くなることがある |
| 選べるプラン | 郵便を受け取らないプランでもよい | 税務署からの郵便を受け取れるプランが要る |
| 税務署からの書類の転送の費用 | かからない | かかる |
Aは、納税地が住所地のままなので、バーチャルオフィスを解約しても納税地は変わらず、郵便を受け取らない安いプランも選べます。自宅で仕事をし、バーチャルオフィスは名刺やホームページに載せる住所として使う人に向きます。
Bは、引っ越しても納税地が変わらないので、引っ越しが多い人や、税務署からの書類を事業の郵便とまとめて受け取りたい人に向きます。バーチャルオフィス1も、引っ越しのたびに納税地を変えるのが手間な人や、郵便を仕事とプライベートで分けたい人に、バーチャルオフィスを納税地にする形を挙げています。その代わり、税務署からの郵便を受け取れるプランを選び、転送の費用を払います。バーチャルオフィス1は、バーチャルオフィスを納税地にすると、管轄の税務署が遠くなるおそれがあるとも書いています。
バーチャルオフィス1は、自宅と別の市区町村にあるバーチャルオフィスを納税地にすると、両方の市区町村で住民税の均等割がかかるおそれがあるとして、東京都港区と渋谷区に問い合わせた結果を載せています。港区は「法律的には住民税均等割の対象となる」と答え、渋谷区は決算書や確定申告書から区内に事業の実態があるかを判断すると答えたとしています。区によって答えが違うので、バーチャルオフィスを置く区役所・市役所の住民税の担当に問い合わせます。
開業届に使えて、税務署からの郵便を受け取れるプラン
Bの書き方で納税地をバーチャルオフィスにするなら、税務署からの郵便を受け取れるプランを選びます。開業届や個人事業の事業所の住所に使えると公式サイトに書いていて、税務署からの郵便を受け取れる主なプランを、1年目の費用の安い順に並べました。1年目の費用は入会金と12か月分の利用料で、転送の費用は入れず、「1回の転送の費用」の列に分けて書いています。
| プラン | 1年目の費用(計算) | 2年目 | 税務署からの郵便 | 1回の転送の費用 | 法人登記 |
|---|---|---|---|---|---|
| METSバーチャルオフィス(ネットショップ) | 10,450円(入会金3,850円+550円×12か月) | 6,600円 | 届いたらすぐ転送 | 1,023円(レターパックライトの送料と手数料550円。会社が「税務署から届いた郵便など」の例に挙げる額。定形郵便では送らない) | 不可 |
| オフィスゼロワン(貸し住所サービス・板橋区) | 11,000円(初期登録費用5,500円+年払い5,500円) | 5,500円 | 1か月保管。届いても知らせない | 転送はオプション(1年16,500円、週1回、送料は会社が負担)。窓口での受け取りは無料 | 可 |
| スタートアップ(プラン(A)・南青山/渋谷) | 12,100円(初期費用5,500円+550円×12か月) | 6,600円 | 週1回転送 | 330円(事務手数料220円+定形の送料110円) | 可 |
| オールワン名古屋(週1転送・名古屋市中区) | 12,100円(初期登録手数料5,500円+550円×12か月) | 7,700円(550円×12か月+更新事務手数料1,100円) | 週1回転送(7日〜10日に1回) | 330円(事務手数料220円+定形の送料110円) | 可 |
| サテライト札幌・サテライト沖縄(ベーシック) | 12,100円(初期費用5,500円+550円×12か月) | 6,600円 | 週1回転送(7日〜10日に1回) | 330円(事務手数料220円+定形の送料110円) | 可 |
| DMMバーチャルオフィス(ミニマム) | 13,420円(入会金5,500円+660円×12か月) | 7,920円 | 郵便は、国・都道府県から届く個人事業主としての税金の書類だけ受け取り、週1回転送(ほかに返品・返送の荷物も受け取る) | 330円(150gまでの普通郵便) | 不可 |
| BLOOM(ビジネス・西新宿) | 14,300円(入会金7,700円+550円×12か月) | 7,700円(550円×12か月+更新の手数料1,100円) | 週1回転送(月1回も選べる) | 330円(手数料220円+定形の送料110円) | 可 |
| バーチャルオフィス1(渋谷・神保町・広島) | 16,060円(入会金5,500円+880円×12か月) | 10,560円 | 月4回転送 | 150円(50gまでの送料。手数料0円) | 可 |
スタートアップ・オールワン名古屋・サテライト札幌・サテライト沖縄は、公式サイトの料金が税別なので、1.1倍した額です(月500円→550円、初期費用5,000円→5,500円、事務手数料200円→220円)。BLOOMは、ほかに転送の費用に充てる預け金1,000円を最初に払います(解約のときに、振込手数料を引いて返す)。期間を限った割引は入れていません。このほか、女性専用のミント沖縄の基本プラン(那覇市、1年目11,836円=初回登録手数料5,500円+528円×12か月)も、開業届に使えると書いていて、週1回か月1回転送します。同じ会社の女性専用のTAPIOCAの郵便転送ありのプラン(東京の青山・渋谷、1年目12,936円=初回登録手数料5,500円+528円×12か月+年会費1,100円)も、利用の例に個人事業主登録(開業届)と法人登記を挙げています。

表のプランは、ネットショップを運営しているか、どの都市の住所にするか、あとで法人登記に使うかで選び分けます。
ネットショップを運営しているなら
1年目がいちばん安いのは、METSバーチャルオフィスのネットショップです。1年目10,450円、2年目から6,600円で、税務署から届く郵便も、届いたらすぐ転送します。METSバーチャルオフィスは、ネットショップのプランを「税務署から届く郵便物(開業届に記載した宛名等)の拠点として利用できる」と案内しています。
ただし転送はレターパックか宅配便で、税務署から届いた郵便の例として会社が挙げる額は1回1,023円です。転送が年3回以上になると、下のスタートアップのプラン(A)のほうが安くなります(3回なら、METSバーチャルオフィスは10,450円+1,023円×3回=13,519円、スタートアップは12,100円+330円×3回=13,090円)。
使えるのは、ネットショップやデジタルコンテンツの販売をしている人だけです。郵便は、契約した名前か登録した屋号あてのものしか受け取らず、法人登記には使えません。住所は日本橋・新宿御苑・赤羽から選べます。
東京の住所で、あとで法人にもするなら
スタートアップのプラン(A)は、港区南青山か渋谷区の住所を使え、1年目12,100円、2年目から6,600円です。郵便は週1回転送し、1回の転送は事務手数料220円と送料で、法人登記にも使えます。利用の例に、法人登記と個人事業主登録(開業届)を挙げています。
転送が多いなら、バーチャルオフィス1(1年目16,060円)と比べます。1回の転送で50gまでの郵便を1通送るとすると、スタートアップは1回330円、バーチャルオフィス1は1通150円です。12,100円+330円×回数=16,060円+150円×回数を解くと、回数は22回(3,960円÷180円)です。転送が1年に21回まではスタートアップ、23回以上はバーチャルオフィス1が安く、22回は同じ額です。毎週1通を転送すると、スタートアップは29,260円(12,100円+330円×52回)、バーチャルオフィス1は23,860円(16,060円+150円×52回)です。
オフィスゼロワンの貸し住所サービス(板橋区)は、法人登記に使えるプランで1年目がいちばん安い11,000円です。ただし郵便は1か月保管するだけで、届いても知らせないので、自分で問い合わせるか、窓口に受け取りに行きます。転送のオプションを付けると、1年目は27,500円(11,000円+16,500円)です。BLOOMのビジネスプラン(1年目14,300円)は、1回の転送の費用がスタートアップと同じ330円で、1年目は2,200円高くなります。
名古屋・札幌・那覇などの住所でよいなら
オールワン名古屋の週1転送プラン(名古屋市中区錦)と、サテライト札幌・サテライト沖縄のベーシックプラン(札幌市中央区・那覇市)は、スタートアップと同じ1年目12,100円・1回の転送330円で、法人登記にも使えます。サテライト札幌は、開業届の住所に使えるとよくある質問で答えています。
横浜・仙台・京都・大阪・神戸・福岡の住所を使うなら、DMMバーチャルオフィスのミニマムプラン(1年目13,420円)です。札幌・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡・那覇など、銀座を除く15か所から住所を選べます。国・都道府県から届く個人事業主としての税金の書類を受け取って週1回転送し、開業届に使えると書いていますが、名刺やホームページ(特定商取引法の表示を除く)、銀行口座には使えません。受け取る対象に、市区町村からの書類は挙がっていません。
Bの書き方で納税地をこれらの住所にすると、管轄の税務署もその都市の税務署になります。税務署の窓口に行く予定があるなら、Aの書き方で納税地を自宅にします。
開業届に使えても納税地に向かないプランと、開業届に使えないプラン
開業届に使えると書いていても、郵便を受け取らないプランがあります。これらのプランでBの書き方をすると、税務署からの書類が届きません。
| プラン | 開業届 | 税務署からの郵便 |
|---|---|---|
| METSバーチャルオフィス(ライト) | 開業届の住所に使える | 受け取らない(税務署などから届く書類も受け取らないと書いている) |
| BLOOM(ライト) | 開業届に使える | 郵便を受け取らず、届いたら予告なく捨てる |
| GMOオフィスサポート(転送なし) | トップページで開業届に使えると案内 | 窓口での受け取りも含めて、郵便を一切受け取らない |
| ミント沖縄(ミニ・女性専用)・TAPIOCA(ミニ・女性専用) | 個人事業の開業届に使える | 郵便は転送しない(税務署からの郵便の扱いは書かれていない) |
これらのプランは、Aの書き方(納税地は自宅)で、バーチャルオフィスを事業所の欄に書くときに使えます。1年目の費用は、自宅住所を出さない住所貸しバーチャルオフィスで比べています。
開業届そのものに使えないプランもあります。ツムグ前橋の住所利用プラン(月2,200円)は、法人登記にも開業届の記載にも使えません。Karigoの個人名での契約は郵便を受け取るためだけのもので、事業には使えないので、個人事業主は屋号での契約(月4,700円〜)で申し込みます。
屋号で郵便を受け取るときの登録と追加の料金
開業届の様式には屋号とフリガナの欄があり、屋号を書いて届け出られます。バーチャルオフィスで屋号あての郵便を受け取るには、運営会社にも屋号を宛名として登録します。DMMバーチャルオフィス・METSバーチャルオフィス・レゾナンス・Karigo・ワンストップビジネスセンター・オフィスゼロワンは、登録していない宛名の郵便を受け取りません。
| 会社 | 無料で登録できる宛名 | 追加の料金 |
|---|---|---|
| DMMバーチャルオフィス | 個人は本名と屋号1つ | 1件 月1,650円 |
| GMOオフィスサポート | 個人・法人それぞれ1つ | 2つ目から1件 月1,650円 |
| レゾナンス | 個人の契約は屋号1つ | 3つまで。週1転送プランは月1,650円、月1転送プランは月990円 |
| BLOOM | 本名のほかに1つ | ビジネスプランは550円×残りの月数、ライトプランは300円×残りの月数 |
| バーチャルオフィス1 | 個人名と屋号の2つ | 1つ 月880円 |
| Karigo | 屋号で契約する(月4,700円〜) | 屋号名の追加 月1,100円 |
| METSバーチャルオフィス | 屋号・ショップ名1件(全プラン) | 記載なし |
| ワンストップビジネスセンター | 屋号は1契約に1つだけ | 追加できない |
| NAWABARI | 個人の利用なら、追加の屋号10個まで無料 | 記載なし |
| ミント沖縄(基本プラン・女性専用)・オールワン名古屋(転送のあるプラン)・サテライト札幌・サテライト沖縄(ベーシック) | 屋号3つまで(手数料0円) | 記載なし |
屋号を2つ以上使うなら、NAWABARI(10個まで)と、ミント沖縄・オールワン名古屋・サテライト札幌・サテライト沖縄(3つまで)は追加の料金がかかりません。DMMバーチャルオフィスとGMOオフィスサポートは、2つ目から1年19,800円(1,650円×12か月)かかります。
屋号を決めたのがバーチャルオフィスの契約のあとなら、運営会社に屋号を届けます。バーチャルオフィス1は、同じ住所を使う別の利用者と屋号が同じになると、郵便の渡し間違いが起きるおそれがあるとしています。METSバーチャルオフィスも、屋号の登録忘れを郵便の受け取りの注意点に挙げています。
税務署の郵便を受け取れるプランでも受け取らないもの
税務署からの郵便を受け取れるプランでも、受け取らない郵便があります。主な会社の決まりを並べました。
| 会社 | 受け取らない主な郵便 |
|---|---|
| DMMバーチャルオフィス | 現金書留・本人限定受取郵便・内容証明郵便、裁判所からの書類などの公的・法的に効力のある文書 |
| BLOOM | 代金引換・着払い・簡易書留・現金書留・内容証明・本人限定受取・特別送達などの特殊取扱郵便、裁判文書、消費者金融からの郵便 |
| オフィスゼロワン | 現金書留・電信為替・内容証明・配達証明・特別送達、着払いと代金引換の荷物。一般書留と簡易書留は、申し出たときだけ受け取る |
| Karigo | 住民票を置かなければ届かない銀行口座の開設やクレジットの郵便(明細を除く)・年金の通知、裁判所などからの公的・法的効力のある文書、現金書留 |
| ワンストップビジネスセンター | 現金書留・代金引換・内容証明・特別送達などの特殊取扱郵便、住民票を置かなければ送られてこない郵便(パスポートや年金の関係) |
| バーチャルオフィス1 | 現金書留・本人限定受取郵便、裁判所などから送達された公的または法的な書類 |
| NAWABARI | 着払い・現金書留・内容証明・特別送達・本人限定受取郵便・代金引換など |
BLOOMは、ほかの会社と違い、簡易書留も受け取らないとしています。オフィスゼロワンは、一般書留と簡易書留を、利用者が同意書に署名して申し出たときだけ受け取り、書留の転送の費用は利用者の負担です。Karigoは、法人や屋号の名前で契約し、その名前あてなら、クレジットカードの作成や銀行口座・証券口座の開設の郵便を受け取れるとしています。BLOOMは、パスポートや年金の郵便など、住民票を置かなければ送られてこない郵便が届いたことを、強制的に解約する理由に挙げています。
すでに開業届を出した人が、バーチャルオフィスを使い始めるとき
自宅の住所で開業届を出したあとでバーチャルオフィスを契約したときは、納税地を変えるかどうかで手続きが分かれます。
納税地は自宅のまま、事業所としてバーチャルオフィスを足す
開業届と同じ様式で、「事務所・事業所の新設等」の欄に該当する番号(1.新設 2.増設 3.移転 4.廃止)を書き、「新増設、移転後の所在地」にバーチャルオフィスの住所を書いて、納税地(自宅)を管轄する税務署に出します。新設と増設のどちらに当たるかは、国税庁の記載要領には書かれていないので、迷ったら税務署に確かめます。国税庁の案内では、事業所が納税地と違う場所にあっても、納税地を管轄する税務署以外への提出は要りません。METSバーチャルオフィスも、開業届を出し直すのではなく、事業所の住所の追加・変更の手続きをするよう案内しています。
納税地をバーチャルオフィスに変える
国税庁のタックスアンサー(No.2091、令和8年4月1日現在の法令による)では、納税地を住所地から事業所等に変えるときに届出書は要らず、確定申告書に新しい納税地を書けば変わります。年の途中で、税務署からの書類の送り先も新しい納税地にしたいときは、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を新しい納税地の税務署に出せます。申出書はいつでも出せ、出さなくても構いません。
ビステーションの記事は、納税地を変えるのに「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を出すと書いていますが、国税庁の今の案内では届出書は要りません。バーチャルオフィスを事業所に加えるので、上の「事務所・事業所の新設等」の届け出も合わせて出します。
開業届の提出期限と出し方
期限と出し方は、国税庁の手続きの案内と記載要領(2026年10月時点)で確かめました。
期限は、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までです。期限が土・日曜日・祝日などに当たるときは、その翌日が期限になります。バーチャルオフィス1・ワンストップビジネスセンター・オールワン名古屋の記事には、事業を始めてから1か月以内に出すと書いたものがありますが、国税庁の今の案内は確定申告期限までです。
出し方は、e-Taxで作って出すのが基本で、書面で作って税務署に持って行くか、送ることもできます。e-Taxで出すときは、本人確認書類の提示や写しの添付は要りません。書面で出すときは、マイナンバーを書き、本人確認書類を見せるか写しを付けます。税務署の窓口に持って行くなら、2026年10月1日から、すべての税務署で総合窓口の受付時間が原則として午前9時から午後3時までになっています。
バーチャルオフィスの住所を書くなら、契約して住所が決まってから出します。バーチャルオフィス1は、契約の前に住所を使うことを禁じています。
開業届の様式には、青色申告承認申請書と、消費税の課税事業者選択届出書を出すかどうか(有・無)を書く欄もあります。国税庁の記載要領では、開業した年から青色申告にするなら、青色申告承認申請書を、1月15日までに開業したらその年の3月15日まで、1月16日以降に開業したら開業の日から2か月以内に出します。課税事業者選択届出書は、開業した年の12月31日までです。
よくある質問
開業届とバーチャルオフィスについての質問に、国税庁の案内と運営会社の説明をもとに答えます。
開業届にバーチャルオフィスの住所を書かないと、利用料を経費にできませんか?
バーチャルオフィス1は、開業届にバーチャルオフィスの住所を書いていなくても、経費にできないことはないと説明しています。METSバーチャルオフィスも、開業届を出したあとでバーチャルオフィスを契約し、開業届に住所を書いていない人について、利用料を経費にできるか心配は要らないとしています。
バーチャルオフィスの住所に住民票は置けますか?
規約やよくある質問で住民票に触れている会社は、どこも使えないとしています。DMMバーチャルオフィス・GMOオフィスサポート・レゾナンス・Karigo・BLOOM・オフィスゼロワン・NAWABARI・ワンストップビジネスセンターは、住民票の住所に使えないと書いています。BLOOMは、住民票の住所にバーチャルオフィスの住所を使うと法律違反にあたることがあるとしています。住民票は自宅に置いたままにし、開業届の住所地も自宅です。
屋号付きの銀行口座を作るときに、開業届の控えは要りますか?
バーチャルオフィス1は、屋号付きの口座を作るときに、屋号を書いた受理済みの開業届を求められることがあるとしています。口座を作る予定があるなら、開業届の屋号の欄に屋号を書き、控えを残しておきます。国税庁の記載要領は、控えにはマイナンバーを書かないよう求めています。法人口座の作り方は、バーチャルオフィスで法人口座は作れる?にまとめています。
古物商の許可を取るときも、開業届にバーチャルオフィスの住所を使えますか?
バーチャルオフィス1は、古物商について、許可を受ける営業所にはできなくても、開業届に書く住所にはバーチャルオフィスを使えるとしています。許可を受ける営業所の住所は別に要ります。業種ごとの要件は、許可が要る業種はバーチャルオフィスで開業できる?にまとめています。
あとで法人にするとき、同じ住所を使えますか?
法人登記に使えるプランなら、同じ住所を本店にできます。この記事の表では、オフィスゼロワン・スタートアップ・オールワン名古屋・サテライト札幌・サテライト沖縄・BLOOMのビジネスプラン・バーチャルオフィス1です。BLOOMは法人の名義への変更の手数料を無料とし、バーチャルオフィス1・オールワン名古屋・サテライト札幌・サテライト沖縄も、個人の契約から法人の契約への切り替えに費用はかからないとしています。METSバーチャルオフィスのネットショップとDMMバーチャルオフィスのミニマムは登記に使えないので、登記できるプランに変えます。会社をつくる費用は、バーチャルオフィスで会社設立する費用にまとめています。
まとめ
バーチャルオフィスで開業届を出すときの要点です。
- 開業届の書き方は、納税地を自宅にしてバーチャルオフィスを事業所の欄に書く形(区分5)と、納税地をバーチャルオフィスにする形(区分7)の2つ
- 税務署からの書類は納税地あてに送られるので、納税地をバーチャルオフィスにするなら、税務署からの郵便を受け取れるプランを選ぶ
- 開業届に使え、税務署からの郵便を受け取れるプランの1年目は、METSバーチャルオフィスのネットショップの10,450円から。METSバーチャルオフィスは1回の転送が1,023円なので、転送が年3回以上ならスタートアップのプラン(A)(12,100円、1回330円)のほうが安い
- 東京の住所で法人登記にも使い、郵便を転送してもらうなら、スタートアップのプラン(A)。転送が1年に23回以上ならバーチャルオフィス1が安い。窓口で受け取るだけなら、オフィスゼロワン(1年目11,000円)
- 屋号あての郵便を受け取るには、運営会社にも屋号を登録する。2つ目からの料金は会社によって0円から月1,650円まで違う
- あとから納税地を変えるときは届出書は要らず、確定申告書に新しい納税地を書く
- 開業届の期限は、国税庁の今の案内では事業を始めた年の確定申告期限まで
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